天石門別八倉比賣神社は徳島市国府町の矢野にあります。
徳島市立考古資料館というところから登っていきます。参道の山道は結構長く、途中むき出しになっている古墳や塚がいくつかあります。
八倉比賣とは天照大神のことであり、阿波の国史を研究している人たちはここに天照大神が眠っていると考えています。
奥の院の五角形の塚に眠る天照大神
実際、奥の院に行くと非常に古い、石版を積み上げて作られた、不思議な五角形の形の塚があり、ここに天照大神が眠っていると考えられます。天石門別八倉比賣神社略記という由緒が伝わっており、この八倉比賣神宮は延喜式神名帳に記載された神社の中で何と最高位の正一位、御祭神は大日孁女命(別名天照大神)となっています。
このオオヒルメの命と呼ばれた天照大神こそが、魏志倭人伝に出てくる卑弥呼で間違いないと阿波国史を研究している者の間では確信が持たれています。
さて、境内の写真ですが、あまりにも荘厳で神気が漂うので写真は撮れませんでした。私はほぼお寺の境内の写真は撮らないようにしており、神社も雰囲気によって写真を控えることが多々あります。この境内はまさにそんな威厳のある、写真だけ撮りにいこうか、なんていうカジュアルな参詣者は寄せ付けない雰囲気があります。
参拝が終わった後、参道を降りました。この日はかなり日差しが強かったのですが、参道は木々に囲まれ、穏やかな冷風が吹いています。ふと上を見上げると写真を撮りたい気持ちになりました。
その時撮ったのがこの写真です。
何か日本の中心点から放たれる、慈愛に満ちた光を受けているようなそんな気持ちになる一枚です。
下の方を見てみるとやはりトンネルのように真ん中にポカっと丸い光が見えます。
そうか、ここは参道でもあり、産道でもある、日本人を皆生み出してくれた母の道でもあるのだなと思いました。