ライブでLoop音楽を演奏できたらクールですね。
ループ音楽といえば、ダンスやアンビエント、現代的アンビエントのチルアウト、民俗音楽やヒップホップもイケるでしょう。
古典的にはミニマルミュージックですね。私はミニマルなアンビエントを作っています。
ライブで一体何をどう演奏すればいいのかが、ずっと去年あたりから悩んでいた問題で、ライブはメンバーを組んで別にやればいいということもあって、別にグループも組んでいますが、そこではミニマルなアンビエントはできないこともあって別プロジェクトなわけです。
では一人でどうやってライブでLoop音楽をやるか。それもできれば機材の搬入や設定がごちゃごちゃしておらず、
スッキリ!
まずは手軽に!
できたら嬉しいわけです。それで12月ころから3か月間Youtubeを見まくって海外のCoolでHipな人たちを見まくったところ、大体次の三つの形態で彼らは演奏をしているのでした。
Loop音楽をライブでやる三つの方法
<方法その一 RC-505のようなLooperを使う>
一つ目の形態がBOSS RC-505に代表されるLooperを使って生演奏をする方法です。
これを使って、もっとも CoolでHip な演奏をしていたのは、 Reinhardt Buhrさんという人で、ストリートで一人で独特の楽器群に囲まれて演奏しています。
このReinhardt Buhrさんにはまってしまい、一時期は彼の一挙手一投足全てをじっくり見ていましたが、 ある日、気が付きました。
機材が凄い!
お金がかかっているという意味でも(彼は新しいものが好きなようで、いろいろお金を機材に掛けています。いわゆる機材「沼」にはまりこんでいる幸せな人です)、
物理的な量という意味でも。
これ、一人で運搬ってできないんじゃないですか?ストリートでやるなら誰か見張りくらいはしていないと、搬入すらできませんよ。高額の機材だし(笑)
というのに気が付いてしまいました。ライブハウスでワンマン貸し切りで、前後に誰もいなければできるか・・・
カフェと懇意になって午後3時間くらい貸してもらうか・・・
などなど、思いましたが、現状私が考えているライブは、ほかの出演者もいるだろうところで、ホイホイっと前に出てさっと30-40分くらいやる感じかな・・・
と思っているので、ここまで機材を持ち込むことができません。
なぜ、Reinhardt Buhrさんはこんな山盛り機材を持ち込むかと言うとここが本質なわけですが、Looperはエフェクターなわけで、何か別に音源がいるわけです。
ここは結構大事です。Looperはエフェクターなので、音源が別に必要です。
彼の場合、ライブでのエンターテイメント性を高めるため、たくさんの生楽器を使っているのでしょう。目立ちますから・・・
いろんな音色を使いたい、しかも生の音で・・・となるとReinhardt Buhrさんになります。でもシンセサイザーの電子音でもいいんじゃないか?となればもう少し楽です。
シンセでも良いわけですが、ギターだけとかで何かできないか?という独創的な人もいるでしょう。
再現できるかどうかは分かりませんが、ほとんどギターだけでLoop音楽を作ってしまった、マニュエル・ゲッチングさんというクリエイティブな人もいるので、参考に貼っておきます。
知っている人しか知らないのがもったいない人ですね。時代が古いので、Looperやシーケンサーのような便利な機械はなく、ひたすら手で演奏して多重録音して音を重ねたと思います。
さて、このBOSS RC-505に限らず、入門用のBOSS RC-1などもありますが、Looper全体に共通して私が不安なのが、
最初の一発目の録音の時、リズムが正確に取れるのか?
というところです。もちろんリズム感がサイボーグのように正確な人もいますし、何度か練習すると慣れるだろう、というのはあります。
BOSSのRC-505はクリック音の代わりにクルクル回るインジケーターがあってそれで一ループ分と分かるようです(持っていないので間違っていたらすみません)。しかし耳で聞くクリック音ではないですし、ちょっと不安です。
演奏中のストレスとしてはかなりMAXなのではないか?と思います。まあ、思い詰めずに気楽にやろうという気もしますが、ライブの不安要素を取り除きたい方には結構ストレスです。
ですので、最初の2小節だけでもパーカッションかドラムが機械で鳴ってくれたら楽ちんですね。
どんな音源を持ってくるかという問題も大きいですが、この慣れるかどうか?は結構博打なとところです。RC-505はあまり見ませんが、Looperの中古品が多く出回っているのは、どうクリエイティブに使うか思いつかなかったというのもあるかもしれませんが、
慣れなかった、というベタな理由もあるでしょう。
<方法その二 Korg Volcaのようなアナログシンセを内蔵シーケンサーやLooperと使う>
リズムが正確に取れるかどうか不安を抱えるより、もっと演奏や音色に力を使いたいという方は、そもそも何か音源が必要なんだから、シンセサイザーやドラムマシンを使えば楽なんじゃね?
と思うでしょう。
その通りです!
しかもシンセやキーボードには内蔵シーケンサーやリズムマシンが最初からついているものも多くあります。
なあんだ、じゃあ、キーボード一台でできるんじゃん・・・お手軽だ!
と思いますが、ここでキーボード一台でやると、
あなたはエレクトーン奏者ですか?
と思われてしまいます。日本が発明した偉大なエレクトーン。ベースもリズムマシンもメロディも一台でできてしまいます。
これはエレクトーン奏者に申し訳ないのですが、あまりパフォーマンス性がよくないです(本当はスゴイことだと思うのですが。私も6歳あたりから小4までエレクトーン教室に通いました)
ここでやはり目立ちたい、時代は21世紀だし!という方には朗報です。シンセサイザーには鍵盤があるキーボードタイプと鍵盤がない、箱型のモジュラーと呼ばれるものがあります。
そのモジュラー型には最近アナログシンセサイザーという厚みのある音を出してくれるものが廉価で続々と出てきています。
どうもこのアナログシンセのモジュラー、モジュールを集めるのが趣味な人が特に欧州に多いようで、趣味のジャンルとして確立しています。
シンセ沼・・・
それもアナログ・シンセ沼・・・
沼と言う言い方、大好きなのですが、車やオートバイを買って改造する「改造車沼」よりははるかに安く、ガンダムを塗装するプラモ沼よりは、人にも喜ばれる(かもしれない)趣味です。
古着沼にはまってボロボロジーンズを何万円で買うより実用的かもしれません。
実は私も大学時代「機材沼」にはまり、機材を買うバイトのために生活が苦しかった。
青春は全部無駄になりました><;
それはまた後で書くとして・・・
そのアナログシンセの入門用でしかも最強のものが、KorgのVolcaシリーズです。いくつも種類が出ていますが、沼の入り口は、BassかKeysというもののどちらかのようです。なぜかBassのほうがやや人気があるようです。
Volcaは小さい箱に小さい鍵盤がついていて、シーケンサーもついていて、keysにはアンビエントに必須のディレイまで最初からついています。
それではこの小さい箱がどれだけの威力があるか見てみましょう。Volca沼にはまった人は数えきれないほどいるようですが、この演奏が素敵でした。
この動画ではVolca BassとシンプルなLooperを使っていますね。実にスッキリしたセットアップです。
しかしこの方は、深い沼にはまり込んでしまうようで、別の動画を見ると、もうひとり沼のパートナーがいるらしく、二人でうひゃああああああああ
という感じで、Volcaを何十台も(?)つなぎまくっています。
まだ買っていないので不明な部分もあるのですが、ライブで演奏しながらそれをシーケンサーで記録できるのでしょうか?その場合、クリック音でも出るのでしょうか?あるいは自動で小節割り(クオンタイズおよび余計な小節からはみ出た音をカットしてループを作る)をしてくれるのでしょうか。
シーケンサーがあるなら、チート技ですが最初の1パターンはそれでやって、その上に音をかぶせれば、例の「リズムが不安」問題は完全に解消されます。
あるいは上の方たちがやっているような、アンビエントならかちっとしたリズムは、
そもそも関係ない
かもしれません。
この辺はVolcaあるいはシーケンサー付きのシンセでLoop音楽をやる際気になるところところです。
<方法その三 Ableton Live 10 Liteでやる>
さて最後のそしてもっとも興味深い選択ですが、Ableton Live10、それもタダでもらえるLiteでやる方法です。
あんな機材のオマケでやれるの?と思う方が多いと思いますので、私が作った、まだ研究実験の途中ですが、一曲をお聴きください。
使用している機材はPCと入力用のUSB-MIDIキーボード、それにオーディオインターフェイスだけです。
かなりイケています。いちおう操作性を考えてUSB-MIDIキーボードやオーディオインターフェイスも使っていますが、実はPCと Ableton Live10 Liteさえあればできるようです。PCのキーボードで鍵盤部分の入力もできるとマニュアルには書いてあります。
タダの機材のオマケについてくるソフトでここまでやれるとは。
まだ実験の途中ですが今のところ、二つほど今のところ問題があります。
一つが、メトロノームの問題です。メトロノームがついているのはいいのですが、メトロノームのカキカキ音をライブで聞き手に流してしまうのは、ちょっとまずいですね。
オープニングにシンバルが四拍打つのは良いと思いますが、演奏が始まってからもピコピコメトロームが鳴ると困るわけです。
Ableton Liveはやはりライブに特化しているだけあって、この問題の対策がしてあって、これを解決するには、オーディオアウトプットが4つあるインターフェースを使って、1/2(のステレオ)を会場の聞き手に、3/4(のステレオ)をメトロノーム音に振り分けることができます。その方法は後で書きます。
もう一つはLiteにはトラック数の制限があって、8トラックまでしか撮れません。私のようなミニマルミュージック系なアンビエントにはギリギリ丁度な感じですが、足りないと思う人もいるでしょう。足りない場合、有料版を買うことになります。
足りなくなる原因が、Ableton Liveでは、まあ他のDAWもそうですが、リバーブやディレイといったエフェクトを音に直接ではなく、一回外出し的に使うとそれで一トラック使うわけです。一度外出し的にしたほうが、元の芯のある音とエフェクト音とがうまく混じるので、普通、リバーブやディレイ系はそうやって使うと思うのですが、これで1-2トラック犠牲になります。
そうすると6トラックしか使えないということになります。
ただ、Ableton Live LiteはLiteのくせに、物凄い使える音が入っています。すでにディレイ・リバーブもかかっている音も多くあるので、あまり要らないかもしれません。
<全体にLoop音楽をライブでやる際問題になること>
最後にまとめますが、 全体にLoop音楽をライブでやる際、問題になること は、
一番最初の録音のリズムが正しいか
ということに尽きると思います。ここさえよければ後はそれを聞きながらどんどん重ねて行けばいいわけです。
この最初の録音のリズムが正しいか、にはいくつかポイントがあって、
その1 録音の出だしの頭は正しいか
その2 例えば四小節のループなら、四小節の終りで録音がちゃんと終わっているか。
その3 録音途中のリズムキープ用のガイド音はあるか
というこの三つです。 Ableton Live Lite のメリットは、カウントイン、メトロノーム、そして小節の出だしになるまで録音開始を待ってくれるという機能があるので、その1とその3はクリアできて、他の選択肢よりは大分有利です。
しかし残念なことに、ループ部分終りの長さを指定してそこで録音を切る機能は今のところ見つかっていません。そうすると4小節のつもりが、リズム感が悪くて5小節の最初までかかってしまった場合、ループの長さが長くなり、4小節のきれいなループが作れないという問題が起きます。
一応、クリップ(録音したもの)の長さを何小節にするかというコマンドがありますが、そこを触っているとマゴマゴしてしまいます。
この辺は更に研究が必要です。ちょっとごまかしになってしまいますが、事前にきっちりとした出だしの4小節だけ作ってしまって、それを流しながら音を重ねていく・・・
これはチートな技ですね(笑)
正しく設定すればメトロノームが聞けるわけですから、きちんと4小節弾いてそこでパチッと録音を綺麗に止める、練習をするしかないかもしれません。
また練習か!ストレスMAXだな( ^ω^)・・・
この辺り、もう少し研究してまた報告したいと思います。
VolcaのBassも導入する予定ですので、Ableton Liveとどうつなぐかもおいおい報告したいと思います。